英語の資格の種類|留学する人が取得したほうがいいのはどの資格?

英語の資格といえば日本では「英検」や「TOEIC®」が有名です。「TOEFL®」や「IELTS®」など、他にもさまざまな英語関連の資格がある中で、留学を考えている人はどの資格を持っていると良いのでしょうか。 検定試験の難易度に差はあるものの、資格の中にはスコアを持っていると語学力の証明になり、留学の可能性を広げてくれるものがあります。 今回は、海外留学する人におすすめしたい英語の資格を目的別にご紹介します。

留学に役立つ英語試験

||目次||

1. 留学する人向けの資格とは?

2. アメリカ・カナダの大学へ行きたい人向け:TOEFL®

3. 留学や移住を考えている人向け:IELTS®

4. 英語力の証明に:ケンブリッジ英語検定

5. 将来のキャリアアップを目指す人向け:GRE®

6. 高い英語力を身に付けて留学の可能性を広げよう

 

留学する人向けの資格とは?


英語の資格にはTOEIC®やTOEFL®、IELTS®など、さまざまなものがあります。英語圏に留学する人が受けておいたほうが良い資格はどれなのか、ご紹介します。

 

留学するのに語学の資格は必要?

海外の大学へ留学するには、英語で授業を理解し、レポートを書けるだけの語学力が必要です。そのため、海外の大学に入学願書を提出するときは、英語力を公的に認定する試験のスコアを要求されるのが一般的です。欧米の大学では入学基準としてTOEFL®やIELTS®のスコアを設定している所が多く見られます。志望している大学がどの資格のスコアを要求しているのか調べてみると良いでしょう。
また、アメリカオーストラリアカナダニュージーランドには英検を持っていると留学できる英検認定校があります。学校により求められる級数は異なりますが、準2級以上(準2級・2級・2級A・準1級・1級)は必要です。

語学学校へ留学する場合は、入学条件に必須資格の記載がなければ必要ありません。中にはTOEFL®やIELTS®、ケンブリッジ英検などの検定試験に向けて対策できるコースを用意している学校もあります。

 

資格の難易度は?

英語の資格はそれぞれ試験の形式が異なるため、難易度を一概に表すことはできません。資格ごとに設けられているスコアやランクによって、自分の英語レベルがわかります。大学や企業ごとに基準値を設定しているケースもあるので、基準値がある場合は、それを目標に勉強に励みましょう。

 

TOEIC®のスコアは留学には必要ない?

英語の資格の中でも、日本でよく知られているのがコミュニケーション能力を測るTOEIC®です。英語圏の企業では、TOEIC®のスコアはあまり評価されません。 一方、日本国内の企業にはTOEIC®のスコアが有効で、高いスコアを持っていると就職活動のときに有利になる場合があります。留学後に日本の企業に就職する場合は、TOEIC®のスコアがあるとコミュニケーション能力の証明になるため、受験しておくと便利でしょう。

 

アメリカ・カナダの大学へ行きたい人向け:TOEFL®


留学に役立つ英語試験:TOEFL

1964年、米国非営利教育団体の「Educational Testing Service(ETS)」が開発したTOEFL®(Test of English as a Foreign Language)は、「読む」「聞く」「話す」「書く」という4つの技能を測定する試験です。

 

世界で最も受けられている英語の検定試験

TOEFL®では、「大学レベルの英語が使用できるか」「理解できるか」を測定できます。特にアメリカやカナダなど北米の大学へ留学を考えている人が対象です。アメリカやイギリスをはじめ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなど世界130カ国、9000以上の大学や機関でTOEFLのスコアを受け付けています。入学基準の他に奨学金や卒業の基準にもスコアが利用されています。 年間50回以上開催されているTOEFL®は、これまで世界中で約3000万人以上が受験してきました。

 

TOEFL®の種類

TOEFL®にはインターネットを利用する「TOEFL IBT®(Internet-Based Test) 」とペーパー版の「TOEFL® PBT (Paper-Based Test) 」があります。

・TOEFL IBT®
インターネット形式で、試験時間は約4時間30分。試験内容はリスニング、リーディング、スピーキング、ライティングで構成されており、合格・不合格ではなく、4セクションそれぞれのスコアと総合スコア(120点満点)で評価されます。スコアが高ければ高いほど能力が高い証拠となり、スコアは受験日から2年間有効です。 受験回数に制限はありませんが、次の受験までに少なくとも12日間空ける必要があります。

・TOEFL PBT®
インターネットが利用できない地域のみで開催される試験形式で、日本では2007年11月以降実施されていません。

また、学校や企業など団体向けの「TOEFL ITP®(Institutional Test Program)」もあります。ペーパー形式で行われるTOEFL ITP®のスコアは、学校のクラス分けや交換留学の選考用のテストとして活用されています。

 

対策方法

TOEFL®は大学や大学院で勉強するのに必要な英語能力を測る試験なので、リーディングは論文の一部から、リスニングは大学の講義から出題され、ライティングもアカデミックライティングが要求されます。苦手分野など重点的に対策を立て、勉強したほうが良いでしょう。

 

留学や移住を考えている人向け:IELTS®


海外留学や研修を予定していて英語力を証明しなければならない人や、イギリスやカナダ、オーストラリアといった英語圏の国に移住を考えている人におすすめのテストがIELTS®(International English Language Testing System)です。

 

実践的な英語が身に付く試験

IELTS®は世界140カ国、1000以上の会場で受験が可能です。16歳以上が対象で、世界中で年間250万人が受験しています。日本では「公益財団法人日本英語検定協会」が国内での実施・運営と広報活動を行っています。
スピーキングを重視した試験内容のため、実践的な英語が身に付きます。イギリス・カナダ・オーストラリア・ニュージーランド・アイルランドの大半の高等教育機関で認定されているので、IELTS®のスコアは留学に必要な英語力の証明になります。入学審査用の試験として TOEFL®の代わりに採用する教育機関がアメリカでも3000以上あることから、日本でも受験者数が増えています。 イギリスやカナダ、オーストラリアなど海外移住の申請に使える国もあるほどです。

 

試験には2つのタイプがある

英語で授業する大学または大学院に入学できるレベルかどうかを見る「アカデミック・モジュール」と、英語圏での研修や移住申請を行う人が受験する「ジェネラル・トレーニング・モジュール」という2つのモジュールタイプがあります。
試験内容はどちらもリスニング、リーディング、ライティング、スピーキングで構成されていて、全部で約2時間45分かかります。3つの筆記テストは同じ日に休憩なしで行われ、その前後6日以内にスピーキングテストが実施されます。

評価には合格・不合格がなく、1.0から9.0のバンドスコアで表されます。リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングに分かれたパートごとのバンドスコアと、総合評価のオーバーオール・バンド・スコアです。オーバーオール・バンド・スコア5.0が基本的なコミュニケーションを行える「中程度のユーザー」となっていて、大学では「有能なユーザー」の6.0から6.5を入学基準値としている所が多く見られます。
テスト結果は筆記試験当日から2年間有効で、成績証明書の原本が送られてきます。

 

対策方法

海外の大学や大学院で勉強するための英語力があるかどうかを測る試験なので、アカデミックな分野の単語や会話表現が出題される傾向にあります。公式サイトにあるサンプルテストや市販の問題集を使って練習するなど、しっかりとした対策が必要です。

 

英語力の証明に:ケンブリッジ英語検定


留学に役立つ英語試験:ケンブリッジ英検

世界中の大学や企業、政府機関で認定されている「ケンブリッジ英語検定」は、大学入学や就職の可能性を広げるのに役立つ検定です。

 

ケンブリッジ大学が実施する検定

世界約130カ国で実施され、年間受験者数は300万人以上います。特にヨーロッパを中心に評価を得ており、認定している企業や教育機関は2万以上にのぼります。 世界中で通用する英語力の証明となり、海外留学や就職の可能性を広げるのに効果的な検定です。

 

5段階のレベル別で受ける試験

ケンブリッジ英語検定は5段階のレベル別に試験が用意されていて、どのレベルの試験が自分に最適かチェックできるオンラインテストもあります。

・KET(Key English Test)
日常生活で必要とされる、最も基本的な英語力があるかどうかを見ます。難易度は英検3級、IELTS® 4.0程度で、中学生でもわかる英語レベルです。

・PET(Preliminary English Test)
英語圏で日常生活を送れるくらいの英語力があるかどうかを測ります。難易度は英検3級から準2級、IELTS® 4.5程度で、受験者は高校生、短大生、大学生が想定されています。

・FCE(First Certificate in English)
日常的に英語を使う職場で働く人を想定した、中級レベルの試験。難易度は英検準1級、IELTS® 5.5程度です。

・CAE(Certificate in Advanced English)
ビジネスで英語を使う人向けで、難易度は英検1級、IELTS® 6.0~6.5程度です。イギリスの大学や大学院に入学する際の証明書にもなります。英語圏にある大学には、入学時に必要な英語力としてCAEまたはCPEを採用している所が多く見られます。

・CPE(Certificate of Proficiency in English)
ケンブリッジ英語検定の中でも最上級レベルの試験です。難易度は英検1級以上、IELTS®7.5程度で、イギリスの大学入学許可の基準にもなっています。

ケンブリッジ英語検定の試験は、リーディング、ライティング、リスニング、スピーキングそれぞれの能力を使いこなせるかを判断するテストのため、4つの技能と正しい文法を身に付ける必要があります。 合格の中でもA、B、Cのグレードがあり、不合格にはD、Eのグレードがあります。なお、一度取得した合格証明書は生涯有効です。

 

将来のキャリアアップを目指す人向け:GRE®


アメリカの非営利団体ETS(Education Testing Service)が実施しているGRE®(Graduate Record Examinations)は、アメリカの大学院に出願する際にスコアの提出を求められる試験です。そのため、ネイティブの学生も受験します。

 

キャリアアップを目指せる試験

大学卒のネイティブ向けに作られたGRE®は、受験すると言語能力や分析的なライティング力が身に付くため、キャリアアップを目指せるのが特徴です。 試験はオンラインで実施され、基本的に祝祭日以外は毎日受けることができます。

 

3つの部門で構成される試験問題

試験内容は分析能力や論理的思考能力、作文技術を見るエッセイ形式のAnalytical Writingをはじめ、読解力などを見るVerbal Reasoning、数学能力などを見るQuantitative Reasoningで構成されています。
合格・不合格ではなく、ライティング6点満点、言語能力テスト170点満点、数学能力テスト170点満点のスコアにより判定されます。スコアは受験者の点数分布によって決まるため、志望校の合格者平均値を目安に目標設定をすると良いでしょう。このスコアは5年間有効です。

 

対策方法

GRE®を受験するには高い英語力が要求されます。ネイティブの講師による指導やeラーニングで演習やテスト対策を行える、語学学校などの対策コースに通うのが近道と言えるでしょう。

 

高い英語力を身に付けて留学の可能性を広げよう


英語の資格には、留学する人向けのもの、海外で就職する人向けのもの、移住する人向けのものなど、目的に合わせた試験がさまざまあります。 留学先によっては証明書の提出が必要だったり、一定のスコアを要求されたりする場合もあります。海外の大学や大学院に進学を考えている人は計画的に受験を検討したほうが良いでしょう。難易度の高い検定を受ける場合は、語学学校の検定対策コースに通うほうが目指しているスコアを出せる可能性が高くなります。 高いスコアが資格で証明されれば、留学先の可能性も広がり、将来的に就職するときも役立つはずです。自分の目指すレベルがどこなのか検討し、受験してみてはいかがでしょうか。

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