オーストラリア留学|20代で3ヵ国横断留学からメキシコで企業翻訳士になるまで

「25歳の時に諦めきれなかった夢があったから日本を出ました」

 

そう語るのは、3ヵ国の海外留学を経て企業翻訳士として活躍している小松聖志さん(留学当時26歳)です。現在はメキシコに住み、英語だけではなく、スペイン語も駆使し世界を飛び回っておられるそうですが、今に至るにはいくつかのターニングポイントがあったといいます。

 

小松聖志さんプロフィール

【写真】小松聖志さんプロフィール

 

メキシコ在住。車メーカーで生産管理と通訳業を兼務。フィリピン、オーストラリア、グアテマラを経て、メキシコに移住。日夜、日本企業と現地企業の橋渡しをされている。日本の外で仕事をして痛感したのは「世の中にはいろいろな人がいる」「情報はネットだけではなく、人にありきということ」

 

すべてはスペイン語圏で暮らすために


―小松さんは、これまでに3ヵ国で海外留学をご経験され、現在はメキシコにお住まいですが、語学留学に至ったきかっけや、渡航先についてお話ください。

幼い頃からスペイン語圏での生活に焦がれていました。少なからず、サッカーの影響もあったといえます。そして25歳になったときにまだ諦めきれず、夢を追って日本を出る決意をしました。当初から、スペイン語を勉強する前に一度英語を習得、それからスペイン語を学ぶ方が上達も早いと考えていました。

まず、はじめは英語のベースアップのためにフィリピンで英語を学びました。コストパフォーマンスの良さと、シャイな日本人にマンツーマンレッスンは適していました。

その後、2か国目はオーストラリア・メルボルンのカプランに留学。世界各国の人々とのコネクションを持ち、文化を体験しました。3か国目はグアテマラです。あまり知られた国ではないですが、スペイン語のメッカといわれ、フィリピン留学同様にスペイン語のマンツーマンがあるので最適でした。スペイン語は第二言語習得のコツもわかってきたので日常生活レベルなら3か月足らずで習得できるようになっていました。

 

―ご自身の目標に沿って、留学先を選定されていることが分かりますね。

日本にいたときはどのような準備をなさられていましたか?

日本にいたときは、単語帳をながめるくらいで英語学習において、こだわりはなかったです。

学校や、国の情報はすべてインターネットですが、実際、海外に出てみると、人を通じた情報力の豊富さと圧倒されました。やはり、出てみないと分からないことはたくさんある。

 

【写真】メルボルンCBD

【写真】メルボルンCBD

 

―なるほど。では、フィリピンで英語を学び、その後オーストラリアで英語を学び直しされています。2校比較するとどのような違いがありますか?

まずフィリピン留学の生徒に関していうと、初級〜中級レベルの生徒割合が高く、長期留学しても中級レベルまで到達して終わり、というパターンはよく見受けられました。

一方でカプラン・メルボルン校は、生徒が中級〜上級レベルが多く、まったく英語が出来ない人向きでは無いようにも感じました。とはいえ、アウトプットを考えると、多国籍の生徒が集まったカプランの英語環境は断然良かったです。

また生徒の国籍比率に関しては、フィリピンは日本人と韓国人の割合が50:50。一方で、オーストラリアは世界各国、特に中南米は多かった印象です。

授業スタイルに関しても、フィリピンのマンツーマンとオーストラリアの授業形式は別物です。個人的にはマンツーマンは自分には向いていると感じましたが、自身は、初中級の英語レベルを以て、中級レベルの学習者が集まるメルボルン校で学んだことで、遥かにレベルの高い英語力を身に着けることができました。

 

【写真】カプラン・メルボルンセンターのクラスメート

【写真】カプラン・メルボルンセンターのクラスメート

 

―英語力を上げるために、段階に応じてそれぞれの学校で学ばれたということでしょう。

では、メルボルン校では具体的にどのような勉強をしましたか?

恥じらうことなく積極的に発言するクラスメートには触発されました。授業も「スピーキング」に重視。クラスメートとペアになり、映画、そのほかの題材を扱って討論したり、発表するなどして表現力を高めていきました。やはり彼らとこうして語り合うのことが、最も英語が伸びるし、自分には適した授業スタイルでした。

 

―現在は、英語圏でまず英語を習得し、それがべ―スとなってスペイン語圏でお仕事をなさられているわけですが、語学学校で生かされたスキルは何でしょう?

「自分の意見を持ち、自分の言葉で伝えること」これに尽きるとおもいます。

学校では常に何を言いたいのか、どのように表現するのか、を学んでいるわけですし、自身の仕事にも活かされていると実感しています。

 

―それでは、最後に海外で仕事をしたい方に向けて、アドバイスがありましたらお聞かせください。

いま実際メキシコで働いています。スペイン語通訳がメインでその他生産管理の業務にも携わっているのですが、車メーカーなのでクライアント先に出向いて会議の通訳をする場合は専門用語とハイレベルなスペイン語が要求されるのでかなり最初は苦労しました。

とはいえ、現地の方と日本企業の橋渡しをしているその責任感は非常に大きいですし、達成感がある。これも、先にお話した通り、お相手の意向を読む意識が活かされてます。やはり

日本人と現地の人とのやりとり、考え方において違いがあることが多々あって、でもこれはもちろん学生として語学学校にいた時代も同じですね。

 

【写真】メキシコの同僚と

【写真】メキシコの同僚と

 

「世の中こんな考えの人もいるんだな」と一歩離れて考えるようになりました。

海外で仕事をするとき、「日本人の感覚」で物事を進めようとすると現地の人に伝わらない状況が出てきます。学生の内から、出来る限りたくさんの人と出会い、意見を交えて自分を表現し、相手の気持ちを読み取る、語学以外にもいろいろと学べることはたくさんあります。

 

取材を終えて

ひとつの目標達成に向けて道なき道を自ら開拓し、国境を軽々と越えていった小松さん。実際、お話を伺うと非常に丁寧で親切に質問にお答えくださりインタビュー中も話が盛り上がりました。「少しでも日本の外に出て世界をみてもらいたい」という小松さんの真摯な気持ちは周囲を巻き込む力があるようです。英語から広がる世界の面白さ、ぜひチャレンジしてみませんか?

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